第7回総会(平成18年4月18日開催)講演摘録

「新エネルギーと地域のくらし-京都を中心に-」

講師:松岡憲司 (龍谷大学経済学部教授)

イメージ
  • 我々の生活は化石エネルギーに多く依存しており、これらより排出されるCO2などにより、地球の温暖化が進んでいる。温室効果ガスを減らすためには、それらに代わる新エネルギーを考えなければいけない。我が国で新エネルギーと呼んでいるものには、太陽光や太陽熱、風力、バイオマスなどがある。日本では新エネルギーに入っていないが、波力も今後大きな注目を集めていく分野だろう。
  • 京都と関連があるのは、太陽光、風力、バイオマスなので、この3つの分野が京都でどうなっているのか、小型の風力発電を中心に地域との関連をお話ししたい。
  • 我々の暮らしは、いかに動力を利用するかということによって進歩してきた。最初は人間そのままの力で、第二段階として動物を使うようになる。その後、第三段階として水力や風車を使うようになった。第四段階として蒸気の力を使い、現在は主に電力を使っている。そこで石油など化石燃料の大量消費が始まった。
  • 風力発電について、日本では、2010年までに設備容量300万kWという目標を掲げているが、大型風車の定格出力は昨年3月末時点で92万6千kWであり、世界8位である。地域としては北海道、東北、九州に8割が集中している。近畿は非常に少なく、例外的にあるのが京都北部の太鼓山と滋賀県草津である。
  • 定格出力20kW未満のものを小型風車と呼び、京都市内でも小学校にいくつか建てられているようだ。京都府、東海大学及び伏見の生田産機をはじめとする地元中小企業が中心となって「KYOWIND」という小型風車を開発されており、京都リサーチパークの駐車場横に実験機が建てられ、量産機として先月、京丹後市の道の駅に一つ建てられた。
  • しかし、実際に京都市内で風力発電するのはかなり難しい。市内ではほとんどが風速4m/秒以下であるため、通常は単独または太陽光パネルとの組み合わせでハイブリッドにする。風車単独でというのは難しいのが現状である。
  • 風力以外では、京セミ株式会社がスフェラーという球状シリコンを用いた太陽電池を作っている。また、市の事業として、横大路の廃食用油の燃料化施設やバイオガス化実証研究プラントなども京都南部で行われている。北部では、京都エコエネルギープロジェクト(略称KEEP)が進行中である。バイオガス、風力、太陽光の3つのエネルギー源を使い、自立型のエネルギー構造を作ろうというNEDOの実証実験である。全国3カ所で行われており、そのひとつが京丹後市である。
  • 最後に、風力発電機はいくつかの部品から成り、分野が多岐に渡るため、様々な分野の企業が協力しなければできないことから、地域産業の活性化にも結びつくのではないかと考えている。また、京都南部、特に伏見は水の街なので、是非水力も考えてみたらいいのではないか。