第3回総会(平成14年4月24日開催)講演摘録

「京都の先端産業の新たな展開と高度集積地区への期待」

講師:辻 理氏(株式会社サムコインターナショナル研究所 代表取締役社長)

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1.IT不況の背景と今後の展望

IT産業は、かつてない低迷の時期を迎えている。しかし、絶えず技術は進歩を続け、消費も根強いものがあり、IT産業がこれからも成長を続ける分野であることに変わりはない。
現在のIT不況は、過剰投資が世界的に同時進行し、予想をはるかに上回るマネーが還流したこと(いわゆるITバブル)が大きな要因である。資金の流れ、投資をどうするかが、これからのIT産業の課題である。
IT産業の景気は現在緩やかに回復に向かっているが、全てが同時に回復しているというわけではない。日本型経営モデルを維持する国内企業は、これからの景気回復に乗り遅れることが危惧されるが、日本型の経営モデルと一線を画す京都の企業は、高収益をあげているところが多く、今後の発展に期待が持てる。

2.高度集積地区の将来像

市のスーパーテクノシティ構想、府のITバザール構想をはじめ知的クラスター創生事業(文部科学省所管)の指定地域にも京都市と学研都市の2地域(全国12地域)が指定されるなど、京都南部における行政の取組が強化されている。
一方で、地区周辺における飲食店・レストランの増加等、近年、民間の動きも活発化している。飲食店の増加は、人が集まってくる可能性の高さを示している。まちの成長は既に始まっており、機は熟している。
シリコンバレーは、地元スタンフォード大学から誕生したベンチャー企業の成長とともに発展してきた。京都にも京都大学をはじめとする大学の集積がある。これらの集積は、関西版「シリコンバレー」の形成に向けた土台となる。
地区が発展していくためには、核となる施設は欠かせない。高度集積地区が南部開発の目玉となるなら、規模・機能ともに充実したコアとなるものが重要となる。また、この中核施設と地域が有機的に結び付くための仕組みづくりも必要である。
京都南部には、ベンチャー企業として創業し、世界的企業に発展してきた企業が多く立地している。これらの企業に続こうとする企業家精神旺盛なベンチャー企業の集積を進めていくことは、地域の発展に向けた大きなインパクトとなる。